年金っていつからいつまで払えばいいの?【国民年金と厚生年金の違い】
日本には年金制度があり、20歳以上であれば何らかの年金制度に加入する必要があります。
年金制度の役割として将来年をとったり、事故や病気などで何らかの障害が残った時、主な家計収入を得ている方が亡くなられた場合などに生活を支える役割があります。
では、年金は何歳から何歳まで加入し、いつまで年金を納める必要があるのでしょうか。
国民年金と厚生年金
年金制度は、大きく分けて国民年金と厚生年金保険があります。
それぞれ年金を支払う期間や支払い方、金額などに違いがあります。
《国民年金》
・国民年金第1号被保険者…自営業やフリーター、無職の方など
・国民年金第2号被保険者…企業に勤務する厚生年金保険被保険者 ・国民年金第3号被保険者…厚生年金被保険者に扶養されている配偶者 |
《厚生年金保険》
企業に勤務している方の内、
・1週間で勤務する所定労働時間が30時間以上の方(正社員や長時間パートなど) |
となっております。
このうち、国民年金第1号被保険者は、毎月決まった金額を自分で納める必要があります。
国民年金第2号被保険者は、厚生年金被保険者の事を指します。
厚生年金被保険者は、給与や賞与から厚生年金保険料の個人負担分が天引きされ、会社負担分と合算して納められることになります。
国民年金第3号被保険者は、第2号被保険者(厚生年金保険加入者)に扶養されている配偶者ですので、保険料は免除されており支払う必要はありません。
《国民年金》
国民年金の年金加入はいつから?
国民年金第1号被保険者と第3号被保険者の年金加入期間は、20歳の誕生月から60歳の誕生日の前日までになります。
国民年金第2号被保険者は厚生年金保険ですので、第1号被保険者や第3号被保険者とは加入期間が異なります。
国民年金を満額でもらうためには必要な期間
国民年金は20歳になると、原則加入し保険料を納める必要があります。
年金を満額でもらいたい場合、保険料を納める期間は20歳の誕生月から満60歳までの40年間、間を空けることなく納める必要があります。
実際に個人で国民年金を支払う必応があるのは、国民年金第1号被保険者に該当する方のみです。
国民年金は毎月いくら払うの?
国民年金保険料は1か月あたり16,140円となっています。(令和元年度)ただし、前納で支払うと割引になります。
例えば、2年分をまとめて前納しますと379,640円で毎月支払った場合より15,760円割引に、1年分をまとめて前納では192,790円となり、4,130円ほど毎月支払う場合よりも割引になります。
資金にある程度余裕がある場合は、まとめて前納してしまう方がお得だと言えるでしょう。
国民年金を受給できるのは何歳から?
年金を受給できる年齢は原則65歳です。ただし、手続きを行うことで60歳時点の早期に受給することや、反対に66歳以降に支払い開始時期を遅らせる事も可能です。
繰り上げ請求や繰り下げ請求とは
65歳前に年金を受給することを「繰り上げ請求」といいます。
65歳前に老齢基礎年金の繰り下げ請求をした場合、65歳時点で受給手続きを行う場合よりも、減額した年金が支払われることになり、この支給率は変更することはありません。
もし60歳で受給開始した場合、65歳時の約30%減の年金額になります。
特別支給の老齢基礎年金を請求すると、障害基礎年金や遺族年金の権利がなくなるなど、制約があります。
逆に年金を66歳以降遅らせて受給する手続きを「繰り下げ請求」といい、年金額が割り増しされて支払われます。
仮に70歳まで繰り下げ請求を行いますと、65歳時点の年金額より42%割り増しされた年金額が支払われることになります。
国民年金を満期まで支払い続けるといくら支払われるの?
国民年金保険料を未納することなく、40年間満期まで納付した場合に支払われる老齢基礎年金は、780,100円(平成31年4月時点)です。
国民年金は最低どのくらい払えば受給資格があるの?
老齢基礎年金は、保険料を納付した期間となんらかの理由で免除されていた期間を併せて10年以上あれば、65歳より受給することができます。
《厚生年金》
厚生年金の加入時期はいつからいいつまで?
厚生年金の加入時期は、年齢ではなく会社に入社し厚生年金保険の加入条件に該当すれば20歳未満でも加入することになります。
厚生年金の加入期限は70歳までとなっています。
厚生年金はいつから受給できるの?
老齢厚生年金が受けられる方は、原則65歳以上からです。
老齢厚生年金とは、厚生年金に加入していた期間が1か月でもあれば、老齢基礎年金(国民年金部分)に+α分として支払われるものです。
納付は40年という長期間、受給時期が来たら忘れずに手続きに行こう
少子高齢化の影響を受け、年金を取り巻く環境は厳しくなっています。
年金に関する内容も複雑になり、わかりにくく感じる方も多くいらっしゃるでしょう。
年金の満額納付であれば、納付期間は40年という長期間になります。
年金は、受給できる年齢になった時に自動的に支払われるものでなく、自分で年金事務所にて手続きを行う必要があります。
受給可能な時期がきましたら、受給可能時期の3か月ほど前に日本年金機構よりハガキが届きますので、ハガキが届いたら最寄りの年金事務所へ行き、自分の年金額や手続きについてしっかりと調べておくようにしましょう。