ある日突然やってくる国民年金保険料未納の差押え
2018/05/07
ある日突然やってくる国民年金保険料の「差押」
あなたや世帯主、配偶者に十分な所得や貯蓄があるにもかかわらず、国民年金保険料を支払っていないと判断された場合には、滞納処分として強制的に差押(さしおさえ)になります。
差押えは、日本年金機構が財産状況の調査を行い、差押予告通知書が届いた後、予告なく行われます。
差し押さえとは
差し押さえとは、未納となっている国民年金保険料を強制的に徴収されることです。
最終手段である差押は簡単に行われるものではありません。
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納付督励 | 最終催告 | 督促 | 差押予告 | 差押 |
差押予告通知書が送付された後は、事前予告なく財産差押が行われます。
差押される金額は、未納となっている年金保険料だけではなく、本来支払うべき日からの延滞利息を加えた金額です。
何を差し押さえされるの
財産の差押は、所得税などの国税の滞納処分にならって行うことができるとされています。
銀行の預金や給与、売掛金、生命保険などの解約金や、自動車、貴金属等が差押対象です。
銀行預金の場合は、国民年金保険料の滞納分相当額を強制的に差し引かれてしまいます。
自動車や貴金属等は、差し押さえされた後に、競売等によって換金され、未納の保険料に充当されます。
また、本人の財産だけではなく、連帯納付義務者である世帯主や配偶者の財産が差し押さえされる場合もあります。
悪質と判断された場合は税務署が差し押さえに来る
所得額が1000万円を超えていて悪質な滞納とみなされた場合には、年金保険料の差押が国税庁に依頼される場合もあります。
差し押さえは毎日のように行われている
差押が行われた件数は、平成23年度が約5000件、平成24年度が約6200件と増加しており、平成25年度は、約1万500件と、1万件を超えています。
お金がなくて年金保険料が払えないなら早めに免除手続きをしよう
ここまで読んで怖くなった人がいるかもしれません。
国民年金保険料を払わないと、年金がもらえないだけでは済まないのです。
「あなたに十分な所得や貯蓄があるにもかかわらず、国民年金保険料を支払わない場合」には、最終的に強制的な徴収が行われるルールになっているのです。
差し押さえる財産がなければ差し押さえはできない
しかし、あなたに「十分な収入や、預金や貯蓄、不動産がない」場合はどうでしょう。
そもそも差押の対象がないわけですから、差押自体が行われることはありません。
つまり、国民年金保険料を払えない経済状態なら差押まで行くことはないのです。
それでも、国民年金保険料の支払義務は残り、年金も未払い状態となり、年金がもらえないという事には変わりありません。
「収入があるのに保険料を払わないと差し押さえができる」ように、「お金がなくて保険料を支払うことが難しい場合には、保険料を払わなくてもいい」という制度がちゃんと用意されています。
また、失業して収入が途絶えている場合や、アルバイトなどで収入の少ない20歳以上の学生にも、保険料の支払いを免除される手続きが用意されています。
免除手続きは意外と簡単
減免・免除の手続きは思ったより簡単な上、実はたくさんの人が利用している制度です。
国民年金加入者の3人に1人は、なんらかの保険料免除や猶予を受けていて、国民年金保険料を払っていないのです。
しかも、免除手続きをしている人は、国民年金保険料を払っていないのに年金がもらえるのです。
国民年金保険料を払っていないことには変わりありませんが、未納と免除は全く違います。
免除制度は裏技や抜け道ではなく、正式な救済措置です。
あなたも、未納になる前に免除手続きをしておきませんか?
続き : 国民年金保険料の免除基準と手続きについて