差押えされる? 国民年金保険料の最終催告状は見逃してはいけない最後のチャンス
2018/05/07
日本年金機構から最終催告状が届いたら
国民年金保険料の未払いが続くと、民間委託事業者からの国民年金保険料納付に関する案内や文書・はがきによる催告状、年金事務所からの特別催告状によって、支払いの案内が行われます。
郵便や電話、訪問などを無視して、国民年金保険料を払わなかった場合には、年金事務所から 国民年金未納保険料納付勧奨通知書( 最終催告状 ) という手紙が送られてくる事があります。
あなたの手元に、最終催告状が届いた場合、まだ強制的に取立てをされるような状況ではありませんが、差押え一歩手前の段階まできています。
もし、最終催告状が届いた場合は、無視してしまったり、日本年金機構からの郵便物を見落としたりしないよう注意が必要です。
国民年金保険料の最終催告状とは
国民年金未納保険料納付勧奨通知書(最終催告状)は、以下のような文面であなたに送られてきます。
国民年金未納保険料納付勧奨通知書(最終催告状)
あなたの滞納している国民年金保険料は下記の未納状況のとおりであり、早急に納付されるよう再三にわたり催告してきましたが、いまだに納付いただいておりません。
このため、下記の指定期限までに納付されない場合は、法の定める滞納処分を開始することとしましたので、同封の納付書により、必ず期限までに納付してください。
滞納処分が開始されると、あなたの滞納している国民年金保険料に年14.6%の割合で延滞金が課されるほか、あなたの財産が差し押さえられる場合があります。
また、国民年金保険料の連帯納付義務者であるあなたの配偶者や世帯主の財産も滞納処分の対象となる場合がありますので、ご注意ください。
いままでに届いていた催告状や、特別催告状と、書かれている内容は同じように見えます。
しかし、最終催告状(さいしゅうさいこくじょう)は、国民年金保険料の自主的な納付を促す最後の通知です。
それと同時に、もし記載された期日までに保険料が支払われない場合は、法に定める滞納処分が開始することの通知でもあります。
最終催告状を放置するのは危険
うっかり払い忘れていたりするケースもあるので、最終催告状が発行された段階までは、あくまでも法的には「お知らせ」の扱いです。
最終催告状に書かれている日付までに国民年金保険料を支払えば、大事になることはありません。
しかし、最終催告状に書かれている日付までに国民年金保険料を支払わず、最終催告状を無視した場合には大変なことになります。
最終催告状に書かれている 法に定める滞納処分 って具体的に何なの
最終催告状を無視すると「支払の意思が無い」ものとみなされ、日本年金機構の対応が大きく変わります。
最終催告状にも「下記の指定期限までに納付されない場合は、法の定める滞納処分を開始することとしました」と書かれています。
法に定める滞納処分とは、具体的にいうと、銀行口座からの差押など、強制的に取り立てることを視野に入れた、督促(とくそく)の扱いに変わるという事です。
→ | いまココ | |||
納付督励 | 最終催告 | 督促 | 差押予告 | 差押 |
法に定める滞納処分、つまり「督促」の扱いになってしまうと、日本年金機構が保険料を強制的に差押することができるようになります。
また、2年間の時効が止まってしまうほか、現在の未払い保険料に対する延滞利息もかかるようになるので、今よりも大幅に支払額が増えてしまいます。
最終催告状が届くのはどんな人?
国民年金保険料の未払いがあるのに、最終催告状が届く人と届かない人がいますが、その差はどこにあるのでしょうか。
実は、あなたに、最終催告状が届いた場合には、将来的に強制徴収される対象者になっていることを意味しています。
日本年金機構が、強制徴収の対象者としているのは年金保険料を払うことができる資力を持っていながら、度重なる納付督励に応じていない人です。
つまり、最終催告状が届いた人は、日本年金機構からお金があるのに年金保険料を払っていないと見られているという事です。
最終催告状が届く基準は?
最終催告状の発行件数は、平成24年度が約7万件で、平成25年度は約7万8千件と、増加し続けていますが、これにも理由があります。
日本年金機構は、平成30年度までに、免除対象となっていない滞納者すべてを督促の対象とする方針です。
平成26年度は、年間の所得が400万円以上で、滞納期間が13か月以上の人を、強制徴収の対象としていましたが、平成27年度からは、年間所得が400万円以上で、滞納期間が7ヶ月以上の人が強制徴収の対象になっています。
また、今後も徐々に年間所得の基準を下げて、強制徴収対象者の基準を拡大していき、平成30年からは全員が強制徴収対象になる見込みです。
もし、あなたに最終催告状が届いたら、すでに差し押さえ対象リストに入っていて、将来的に強制的に国民年金保険料を差押される可能性があることをアタマに入れて行動しましょう。
無視した場合には督促状が届きます
最終催告状に記載された期限までに国民年金保険料が支払われなかった場合には督促状が届きます。
続き : 「督促状」が届くとどうなるか