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もし人工透析をすることになったら障害年金はどうなるの

      2016/12/04

人工透析は腎不全末期の治療法

腎不全の末期症状において、低下した腎機能の代わりの役割を果たすのが、透析療法、いわゆる人工透析です。
腎臓の働きが不十分になった状態を腎不全といい、急激に腎機能が低下する急性腎不全と、長年にわたって徐々に機能が低下する慢性腎不全の2種類があります。
腎臓の働きが低下すると、本来尿として出るべき老廃物が体にたまります。
慢性腎不全の末期状態になると、「尿毒症」となり、重とくな場合、全身けいれんなどの症状が現れます。
末期の治療法は、腎移殖か透析療法に限られてきます。


人工透析を行えばある程度までは普通に生活することが可能になりますが、人工透析そのものに腎臓をよくする作用はありません。
腎臓の働きを完全に補うものでもないため、一生涯続けていく必要があります。

人工透析は障害年金の支給対象

人工透析が必要な状態まで進行した腎不全の場合、日常生活にも大きな支障があります。
また、人工透析によって腎機能が回復することはありません。
そのため、人工透析を行っている人は、申請により障害年金を受け取ることができます。
国民年金加入者の場合は、障害基礎年金が支給されます。
厚生年金加入者の場合は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。

人工透析患者の障害基礎年金は何級?

国民年金に加入している間に初診日のある病気やケガで、法令により定められた障害等級表による障害の状態にある間は障害基礎年金が支給されます。
初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日のことです。
障害基礎年金には、1級と2級の障害等級があり、障害等級によって年金額が決まります。

腎疾患による障害の認定基準

障害等級 障害の状態
1級 身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 (厚生年金加入者)身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの

人工透析療法施行中の障害等級は2級と認定されます。
また、具体的な日常生活の状況など、障害の状態によっては1級に認定される場合もあります。

人工透析療法を行うと障害年金はいくら貰えるの

障害基礎年金の支給額は、障害等級によって変わります。
人工透析療法を受けている場合は、2級に認定されますので、年金額は 780,100円(平成28年度)です。
月に直すと、だいたい6万5千円になります。

平成28年4月分からの障害基礎年金額(定額)

障害等級 年金額(年額)
1級 975,125円
2級 780,100円

なお、厚生年金加入者の場合は、標準報酬月額に対応した障害厚生年金が加算されます。

障害年金は申請しないともらえない

障害年金に限らず、年金制度は申請主義です。
障害年金の支給対象であっても、申請がない限り支給はされないどころか、支給対象であることの通知もありません。
自分はどうなんだろうと思ったら、申請をすることをおすすめします。
なお、障害年金の受給は、提出する資料の数も多く、申請書も専門的です。
障害年金申請の実績が豊富な、社会保険労務士などに相談するのも一つの方法です。

障害年金が貰えないケースも

年金受給の落とし穴は保険料納付要件

年金保険料を全く払っていないせいで、将来年金が受け取れないのはある意味仕方ないですよね。
しかし、年金保険料を払っていても、障害年金を受け取れないのが「保険料納付要件」です。
ケガや病気で障害を負っても、国民年金保険料の未納があると、障害年金を受け取れない場合があるのです。
たとえば、ケガや病気で病院を受診した日の過去1年以内に未納があると、障害年金は受け取れません。

払い損にならないためには

障害年金を受け取るには、
「初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること」
「初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと」
のどちらかを満たしている場合があります。

まずは、「加入期間の1/3以上が未納になっていないか」と、「過去1年間に未納がないか」を「ねんきん特別便」などで確認しておきましょう。
病気やケガはいつおきるかわかりません。
すでに未納がある人で、いままでの1/3以上が未納になっていた場合や、過去1年間に未納がある場合には、早急に手をうつ必要があります。
年金事務所や、日本年金機構の受託会社からは、期限が古いものから支払うように指示されることがありますが、これは、期限から2年間で時効になるからです。
もし、1/3以上が未納になっていても、過去1年間が未納になっていなければ障害年金の受給要件は満たされるので、迷わず過去1年間の未納分から優先して払うようにしましょう。

しかし、保険料を支払わなくても障害年金の受給要件を得る方法があります。
それは、全額免除や一部免除、納付猶予を受けることです。
障害年金の加入期間(受給資格期間)には、年金保険料を納付した期間だけでなく、全額免除・一部免除や、若年者納付猶予も、含まれるので、年金保険料を払っていなくても、障害年金を受け取る資格がえられるのです。

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